[ ネット証券Blog ]
当ブログの集計によると、SBI証券の2015年1月の個人委託売買代金シェアが、初めて40%の大台を突破し、41.1%に達したことが判明しました。
SBI証券のこれまでの委託売買代金月次シェアの最高値は、昨年(2014年10月)の39.6%でした。2015年1月は、これを1.5%も上回る41.1%を記録しました。すなわち日本の個人投資家の株式売買は、代金ベースで4割以上がSBI証券を経由して行われていることを意味します。
SBI証券のシェアは2013年前半までは30%台前半を推移していましたが、2013年後半に35%前後に上昇、2014年は年央は35%前後だったものの、年初と年末に30%台後半に拡大していました。
1月は、1年間に一つの証券会社の一つの特定口座やNISA口座を使った取引を行う志向が高い個人投資家が、年が変わったことにより別の証券会社での取引に切り替えようとする動きの出る月です。1月にシェアを伸ばした証券会社は年内好調が続きやすく、ネット証券業界にっとって1年を占う重要な月だと言えます。そして、今年(2015年)の1月は、SBI証券に移動した顧客が多かったというわけです。
1月の時点で、SBI証券がこのような4割を超える大きなシェアを握ることは、ネット証券業界の他社に対して、業界再編の模索などの大きなインパクトを与えることになります。
SBI証券の対抗馬である楽天証券は、近年シェアが15〜16%を推移しており、SBI証券の独走を許しています。一時はPTS・夜間取引でSBIグループのSBIジャパンネクスト証券に相乗りしていましたが撤退しています。しかし、現在のシェアでは1社で対抗となるPTSを運営するのは難しいでしょう。この局面を打開するには楽天本社や三木谷氏の主導による、同業他社との合併が必要だと思うのですが、岡三オンライン証券を除いては経営陣の独立志向が強いため、当面のところ可能性は低いでしょう。
過去に業界のパイオニアとしてネット証券業界を量的にリードしていたこともあった松井証券は、一日信用取引の導入によるデイトレーダーの集客効果で2014年初めにシェアを上昇させることに成功しましたが、その後は10%台前半を推移しており、すでにデイトレーダー人口からの代金シェア拡大戦略には限界が見えています。また、SBI証券はPTSによる夜間取引を運営している関係で、東証による夜間取引に消極的な態度を取っており、夜間取引に将来の成長余地を見込んでいる松井証券にとって、SBI証券の4割のシェアは都合の悪い状態だと言えます。
一方、ここ2年ぐらいで、着実にシェアを積み上げているのはカブドットコム証券です。1月のシェアは10.5%と2ヶ月連続で2桁超えとなりましたが、どこまで成長ペースを維持できるのかに注目です。同社の三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下というポジションは、SBI証券が持っていない強みとなっており、ブランド力・実質的な提携効果を使って、NISA2年目に、どこまでシェアを上昇することができるのか予想は難しいのですが、気になっているところです。
GMOクリック証券は、FXも主力のため、SBI証券を追う戦略ではありませんが、株取引についてはデイトレーダーにターゲットを絞っているためシェアは10%程度にとどまるでしょう。
マネックス証券は2014年のNISA開始により、シェアの下げ止まりが見られましたが、拡大する様子はなく、同社の戦略的に2015年もその状況が続くと思われます。静岡銀行との提携効果は依然見えていないのが気になります。
岡三オンライン証券はシェアの低下は止まったと思われますが、手数料戦略を元に戻さない限りはシェアは変わらないでしょう。
業界全体を見ると、SBI証券に対向するには、2位以下の証券会社の合併による業界再編が必要とされる状況です。アメリカの子会社の経営に課題があり、静岡銀行との提携効果が見えてこないマネックス証券、シェアがジリ貧の岡三オンライン証券は比較的苦しい立場で、再編の場合の草刈り場になりやすいです。しかし、アベノミクス相場が続く限りは、一定の収益は確保できるため経営の独立性は確保されやすく、2015年内は再編は起こらない可能性は高いでしょう。結局のところ、SBI証券の優位が続くと予想しています。
当ブログの集計によると、SBI証券の2015年1月の個人委託売買代金シェアが、初めて40%の大台を突破し、41.1%に達したことが判明しました。
SBI証券のこれまでの委託売買代金月次シェアの最高値は、昨年(2014年10月)の39.6%でした。2015年1月は、これを1.5%も上回る41.1%を記録しました。すなわち日本の個人投資家の株式売買は、代金ベースで4割以上がSBI証券を経由して行われていることを意味します。
SBI証券のシェアは2013年前半までは30%台前半を推移していましたが、2013年後半に35%前後に上昇、2014年は年央は35%前後だったものの、年初と年末に30%台後半に拡大していました。
1月は、1年間に一つの証券会社の一つの特定口座やNISA口座を使った取引を行う志向が高い個人投資家が、年が変わったことにより別の証券会社での取引に切り替えようとする動きの出る月です。1月にシェアを伸ばした証券会社は年内好調が続きやすく、ネット証券業界にっとって1年を占う重要な月だと言えます。そして、今年(2015年)の1月は、SBI証券に移動した顧客が多かったというわけです。
1月の時点で、SBI証券がこのような4割を超える大きなシェアを握ることは、ネット証券業界の他社に対して、業界再編の模索などの大きなインパクトを与えることになります。
SBI証券の対抗馬である楽天証券は、近年シェアが15〜16%を推移しており、SBI証券の独走を許しています。一時はPTS・夜間取引でSBIグループのSBIジャパンネクスト証券に相乗りしていましたが撤退しています。しかし、現在のシェアでは1社で対抗となるPTSを運営するのは難しいでしょう。この局面を打開するには楽天本社や三木谷氏の主導による、同業他社との合併が必要だと思うのですが、岡三オンライン証券を除いては経営陣の独立志向が強いため、当面のところ可能性は低いでしょう。
過去に業界のパイオニアとしてネット証券業界を量的にリードしていたこともあった松井証券は、一日信用取引の導入によるデイトレーダーの集客効果で2014年初めにシェアを上昇させることに成功しましたが、その後は10%台前半を推移しており、すでにデイトレーダー人口からの代金シェア拡大戦略には限界が見えています。また、SBI証券はPTSによる夜間取引を運営している関係で、東証による夜間取引に消極的な態度を取っており、夜間取引に将来の成長余地を見込んでいる松井証券にとって、SBI証券の4割のシェアは都合の悪い状態だと言えます。
一方、ここ2年ぐらいで、着実にシェアを積み上げているのはカブドットコム証券です。1月のシェアは10.5%と2ヶ月連続で2桁超えとなりましたが、どこまで成長ペースを維持できるのかに注目です。同社の三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下というポジションは、SBI証券が持っていない強みとなっており、ブランド力・実質的な提携効果を使って、NISA2年目に、どこまでシェアを上昇することができるのか予想は難しいのですが、気になっているところです。
GMOクリック証券は、FXも主力のため、SBI証券を追う戦略ではありませんが、株取引についてはデイトレーダーにターゲットを絞っているためシェアは10%程度にとどまるでしょう。
マネックス証券は2014年のNISA開始により、シェアの下げ止まりが見られましたが、拡大する様子はなく、同社の戦略的に2015年もその状況が続くと思われます。静岡銀行との提携効果は依然見えていないのが気になります。
岡三オンライン証券はシェアの低下は止まったと思われますが、手数料戦略を元に戻さない限りはシェアは変わらないでしょう。
業界全体を見ると、SBI証券に対向するには、2位以下の証券会社の合併による業界再編が必要とされる状況です。アメリカの子会社の経営に課題があり、静岡銀行との提携効果が見えてこないマネックス証券、シェアがジリ貧の岡三オンライン証券は比較的苦しい立場で、再編の場合の草刈り場になりやすいです。しかし、アベノミクス相場が続く限りは、一定の収益は確保できるため経営の独立性は確保されやすく、2015年内は再編は起こらない可能性は高いでしょう。結局のところ、SBI証券の優位が続くと予想しています。