SBIジャパンネクスト証券[ ネット証券Blog ] 
日経新聞によると、SBIジャパンネクスト証券は、最短で4月にも日経平均先物とミニ日経平均先物の取り扱いを始めるそうです。



日本経済新聞 私設取引所で日経平均先物 SBIジャパンネクスト
 株式私設取引システム(PTS)で国内最大手のSBIジャパンネクスト証券は最短で4月にも日経平均先物とミニ日経平均先物の取り扱いを始める。株価指数先物を国内PTS会社が扱うのは初めて。日経平均先物を上場する大阪証券取引所やシンガポール取引所より価格の刻み幅を細かくし、投資家の利便性を高める。

 PTSは投資家が証券取引所を介さずに株式を売買できるシステムで、株高などを追い風に取引量が増加。ただ現在取引できる商品は現物株のみで、取り扱いを先物に広げて収益源を多様化する。大証の日中取引と同じ午前9時から午後3時15分に日経平均先物の市場を開く。1回の約定ごとに価格が動く最小幅は1円に設定する。


SBIジャパンネクスト証券は、日本株式のPTS業務を運営し、SBI証券と10社以上の機関投資家が参加しています。PTSは夜間も取引ができることが最大のメリットで、東証の売買代金に比べると微々たるものですが、徐々に取引量を増加させていますので、国内のPTSの中ではSBI証券の高シェアのお陰もあって一定の成功を収めていると言っていいでしょう。

では、日経平均先物のPTSも同様に成功するのでしょうか。まず、SBI証券の日経平均先物とミニ日経平均先物の個人売買枚数シェアを見てみましょう。(SBI証券の2014年第2四半期決算説明資料より)

SBI証券日経平均先物シェア

一番最近の2014年第2四半期で見ると、日経平均先物が27.9%、ミニ日経平均先物が24.8%となっていますので、日本株の売買代金シェアと比べると10%ぐらい低い数値となっていますが、個人の約4分の1を囲い込んでいることがわかります。あくまで個人の中でのシェアですが、無視はできない規模です。これに機関投資家が参加すれば必要な最低限の流動性は確保できそうです。

ニュースによると、PTSでは「大証の日中取引と同じ午前9時から午後3時15分」を取引時間にするそうです。おそらく当面は同じ時間にして、様子を見て夜間取引も始めるのでしょう。

取引時間が取引所と同じである間は、価格の刻み幅を細かいという点が唯一のメリットとなりそうです。おそらく機関投資家からの需要が高いのでしょう。PTSのシステムを設置するデータセンター内に機関投資家の取引システムを設置・接続させ高速売買をさせるサービスを提供して流動性を確保したいのかもしれません。現在の日本株のPTSではそこまでの必要性はありませんが、取引が集中する日経平均先物であれば考えられることです。

ちょうど4月からは日本取引所グループ(JPX)内で、TOPIX先物を扱う東証と、日経平均先物を扱う大証の先物取引システムを、大証側に集約することになっています。これまで両方を取り扱ってきた証券会社は、それぞれに接続するシステムを持っていましたが、東証に接続する分は不要になりますので、SBI証券とSBIジャパンネクスト証券内部では、そいういう調整ができてきるのかもしれません。(余ったシステムをPTS用に再利用できるかは不透明ですが)

小口の個人投資家には、PTSの方が手数料がちょっと安いというメリットしかないかもしれませんが、大口には手数料の節約効果が大きいでしょうし、24時間取引をやってくれればFXのように人気になる可能性はあるでしょう。