日本取引所グループ斉藤惇CEO[ ネット証券Blog ] 
日本取引所グループ斉藤惇CEOは、複数メディアとのインタビューで、日本株の夜間取引市場の開設の是非について「私は前向きだ。中立的にというより、むしろ前向きに検討したい」と発言。また、「(検討に)1年かける必要はない」と語り、数カ月以内に結論を出す考えを示したそうです。




日本経済新聞
日本取引所CEO、夜間取引「数カ月で結論」 研究会近く設置
ブルームバーグニュース
日本取引所CEO:夜間取引実現に意欲、指数商品相互上場も
ロイター
夜間取引は研究会で議論、仮に開設でも数年先=JPX斉藤CEO
産経ニュース
日本取引所、夜間取引導入に意欲 


斉藤惇CEOは夜間取引に前向き
「中立的にというより、むしろ前向きに検討したい」(ブルームバーグ・ニュース)
「私は前向きだ」(産経ニュース)
「午後3時の取引終了後に企業が情報を出すが、それを踏まえて取引する場が日本にはない。先に米国のADR(株と同じように売買できる預託証券)などで値が動いてしまう」(産経ニュース)
大手証券などからは「世界の主要市場で夜間取引は行われていない」との主張もあるが、「日本は(欧米の主要市場の取引時間が夜間にあたる)極東に位置する。独特の問題があり、参考にならない」と主張(産経ニュース)



このように、東証(日本取引所グループ)のトップが夜間取引に前向きな姿勢を強く明らかにしたのは、初めてのことです。夜間取引が導入される可能性はかなり高まったと考えていいと思います。



東証が夜間取引に前向きになった背景
・上場企業となり、事実上国内独占企業であるものの国際競争にはさらされている
・次期システム(新アローヘッド)の収益を増やしたい
・24時間取引可能で世界で有数の取引量を誇るFXの台頭
・SBIジャパンネクストPTSの取引が徐々に増えていること
・ETF、REIT、ETNなど市場で売買できる商品の増加
・景気回復により取引所・証券会社にシステム投資の余力ができた
・小さな証券会社が廃業し、会社数が少なくなった



近日中に研究会を開いて慎重に検討していくとなっていますが、過去にも夜間取引の議論はされているので、課題はほぼ出尽くしていると思われます。


2010年7月26日 取引時間の拡大に関するディスカッション・ペーパー
2010年11月24日 「取引時間の拡大に関するディスカッション・ペーパー」に寄せられた意見の概要― 要約 −
2010年11月24日 「取引時間の拡大に関するディスカッション・ペーパー」に寄せられた意見の概要


夜間取引の主な課題
  • 海外で例がない
  • 実務的問題(投信の基準価格のタイミング)
  • コスト、費用対効果
  • 流動性、価格形成、価格発見機能



おそらく、上3つの課題はクリア(というか一部は無視)となると思われます。
議論の余地があるのは流動性でしょう。既にPTSで取引されていて流動性が無くても問題にはなっていないということで進めてしまうのかもしれません。

今後は研究会の参加者の構成、議論の内容に注目していきたいと思います。